ニュースや特定の情報番組だけではなく、最近では小学校の教科書にも掲載されているSDGs(エス・ディ-・ジーズ)。
「持続可能な開発目標」と訳されますが、詳しい内容をご存じでしょうか?
もしかしたら、職場でSDGs事業に取り組んでいるという方もいらっしゃるかもしれません。
またはSDGsの読み方もわからなかったという方も。
今回は「小学校でも習うSDGsとは?知っておきたいポイント徹底解説!」と題し、まとめていきます。
SDGs
SDGsとは
SDGsとは「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことです。
2015年9月の国連サミットで採択され、加盟国193ヵ国が2016年から2030年の15年間で持続可能でよりよい世界を目指す国際目標です。
17の目標とそれを達成するための169のターゲットから構成されています。
SDGsは発展途上国だけではなく先進国も取り組むべきものであり、日本も積極的に取り組んでいます。
SDGsの17の目標
17の目標は次のようになっています。
貧困・飢餓・教育・安全な水
まずは1~6まで見ていきましょう。
- 貧困をなくそう
- 飢餓をゼロに
- すべての人に健康と福祉を
- 質の高い教育をみんなに
- ジェンダー平等を実現しよう
- 安全な水とトイレを世界中に
貧困や飢餓、安全な水とトイレなどの項目を見ると開発途上国を対象にしていると思われるかもしれません。
しかし、日本の貧困問題が深刻であることをご存じでしょうか?
日本の貧困率は1985年から2012年にかけて緩やかに上昇し、一時低下しましたが現在も大きくは変わっていません。
6~7人に1人の子供が貧困状態と言われているので、日本も積極的に取り組む必要があります。
ジェンダー平等とは性別による差別などをなくし、女性や女児もそれぞれ力をつけることです。
2020年の世界経済フォーラム(WEF)が公表している男女の格差を表す指標では、日本は153ヵ国中121位という低い順位となっているため、ジェンダー平等という目標も日本は当てはまると言えるでしょう。
エネルギー・経済・産業・まちづくり
次に、7~12を見ていきます。
- エネルギーをみんなに そしてクリーンに
- 働きがいも経済成長も
- 産業と技術革新の基盤をつくろう
- 人や国の不平等をなくそう
- 住み続けられるまちづくりを
- つくる責任 つかう責任
エネルギーや経済成長、産業と技術革新、まちづくりについての目標なので、先進国である日本も大きく関係する目標です。
気候変動・海・陸・平和
更に、13~17を見ていきましょう。
- 気候変動に具体的な対策を
- 海の豊かさを守ろう
- 陸の豊かさも守ろう
- 平和と公正をすべての人に
- パートナーシップで目標を達成しよう
気候変動や海、陸の豊かさ、そして平和についてなど、世界的に影響する目標となっています。
「誰一人取り残さない(leave no one behind)」というSDGsの理念は、地球規模を対象としていると言えるでしょう。
これら17の大きな目標にそれぞれ約10の具体的なねらいがあり、合計169のターゲットとなっています。
日本におけるSDGs
日本は「SDGsアクションプラン2021」として2021年の重点事項をあげています。
参照:持続可能な開発目標達成(SDGs)に向けて日本が果たす役割
その内容は次のようになっています。
- 感染症対策と次なる危機への備え
- よりよい復興に向けたビジネスとイノベーションを通じた成長戦略
- SDGsを原動力とした地方創生、経済と環境の好循環の創出
- 一人ひとりの可能性の発揮と絆の強化を通じた行動の加速
感染症対策について、デジタル化やテレワークなどの働き方、産業や科学技術について、温暖化対策、防災、海洋資源や地方創生について、女性の参画や人材の多様性、子供の貧困や教育、国際協調についてなど、内容は多岐にわたります。
また、SDGsの達成のために優れた取り組みをしている企業や団体等を表彰する「ジャパンSDGsアワード」という制度もあり、様々な企業や団体が取り組みを行っています。
小学校でのSDGsの取り組みは?
大人だけではなく、子供にとってもSDGsは大切な取り組みと言えるでしょう。
小学校ではどのように取り組んでいるのでしょうか?
例えば、教科書からSDGsに関係することを学ぶことができます。
社会科であれば、食料自給率の内容から「貧困」「海の資源」「陸の資源」について知ることができ、戦争や平和の内容から「平和」や「公正」について学ぶことができるでしょう。
理科では「気候変動」について学ぶ機会もあります。
「ジェンダー」や「健康・福祉」など保健の授業で取り上げてもいいですし、総合の時間にグループで話し合う機会を設けることもできます。
また、学校全体や保護者や地域の人々と一緒にSDGsに取り組む場合もあります。
このようにして、自分自身の周りからだんだんと視野を広くしていき、やがては世界の問題についても知ることができ、自分だったらどうするかなどを考えることができるようになるでしょう。
そして、更に問題について詳しく知るために情報を集め、選び取る力もつくかもしれません。
実際にユネスコスクールという平和や国際的な連携を実践する学校があります。
世界180ヵ国以上の国・地域で11,000校以上のユネスコスクールがあり、日本国内の加盟校数は平成30年10月時点で1,116校となっています。
このような学校で世界の子供たちと交流して情報を交換し、世界規模の問題についても考えることができる子供たちが育つことには希望が持てます。
まとめ
今回はSDGsについて解説をしました。
具体的な目標は169もあるので、2030年までの間に達成するには各国が相当の努力をしていかなければいけないでしょう。
私たち日本人も、17の目標についてできることから実行していけるとよいですね。