日本には、失業や減収によって生活に困窮している人が使える個人向けの融資があります。
この記事では、国から借りれる公的な融資について説明したいと思います。個人融資に興味のある方は、自身が対象となるかどうか確認してみましょう。
生活困窮者を支援するための「生活福祉資金貸付制度」とは?
日本には、低所得者、高齢者、障害者など、生活に困窮している人の生活資金を一時的に支援するための「生活福祉資金貸付制度」と呼ばれる貸付制度があります。国が国民生活を守るために作られたセーフティネット施策の一つです。
利益を目的としておらず、条件を満たせば無利子で資金を借り入れることができます。借り入れには、条件を満たしているか審査が行われます。貸付までには3週間ほどかかります。
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生活福祉資金貸付制度を利用できる人の条件
「生活福祉資金貸付制度」は、誰でも利用できるわけではありません。対象となる方は以下の条件を満たしている方です。
- 低所得者世帯・・・必要な資金を他から借りることが困難な世帯
- 障がい者世帯・・・障がい者手帳等の交付を受けた人が属する世帯
- 高齢者世帯・・・65歳以上の高齢者が属する世帯
4つの生活福祉資金貸付制度
生活福祉資金には4つの種類があります。
4つの生活福祉資金も、さらに細かく数種類に分けられており、それぞれに資金を借り入れる目的が決まっています。
総合支援資金 | 生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費 |
福祉資金 | 福祉費、緊急小口資金 |
教育支援資金 | 教育支援費、就学支度費 |
不動産担保型生活資金 | 不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金 |
福祉資金の「緊急小口資金」は約1週間で融資を受けることができます。申込みは住んでいる市区町村社会福祉協議会で行います。
失業・減給した人には総合支援資金
「総合支援資金」とは、失業や減給、休業などによって生活に困窮している人が、生活を立て直すために必要な費用を国から借り入れることができる制度です。「生活福祉資金貸付制度」の1つです。
失業中の人が総合支援資金を利用するには、まず、ハローワークへの求職申し込みと職業相談が必要です。
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総合支援資金の貸し付け条件とは?
総合支援資金を借り入れるためには条件を満たしている必要があります。
- 低所得者世帯で、失業や収入の減少などにより生活に困窮している
- 本人確認が可能である(公的な書類で確認が必要)
- 現在住居がある または住居確保補給金の申請を行った後、住居の確保が確実にできる
- ハローワークや社会福祉協議会、法に基づく自立相談支援事業などから継続的な支援を受けることに同意している
- 自立した生活を送ることが可能となり、貸付けの払い戻し(償還)を行う見込みがある
- 他の公的な貸付を受けることができないため、生活費をまかなうことができない
借り入れして自立が見込まれるという事も条件の一つです。
総合支援資金の種類は3つ
総合支援資金として貸付けを受けられる費用には3種類あります。
生活支援費 | →生活を建て直すまでの間に必要となる生活費用 →原則3か月・月20万円まで(ただし最大12か月まで延長が可能) →単身世帯の場合は月15万円まで |
住宅入居費 | →住宅を借り入れる際の賃貸契約に必要な費用(敷金、礼金など) →月40万円まで |
一時生活再建費 | →生活を建て直すために一時的に必要であり、 なおかつ日常生活費でカバーすることが困難な費用 (債務整理のための費用、転職や就職のための技能取得など) →月60万円まで |
これらの資金は連帯保証人なしでも貸付が可能です。連帯保証人ありの場合は無利子、連帯保証人なしの場合は、年1.5%となります。
在住の市区町村の社会福祉協議会が窓口となります。
総合支援資金を受ける前にやるべきこと
総合支援資金を受けるためにはまずしておくべきことがあります。
離職している場合
ハローワークへ求職申込みと職業相談をする必要があります。
住居がない場合
総合支援資金は住居がある人が対象です(原則)。
住居がない場合は、「住居確保給付金」の申請を行いましょう。申請の受付は、令和4年9月末日まで(令和4年8月現在)となります。離職・廃業から2年以内の方、または 休業等により収入が減少し、離職・廃業と同程度の状況にある方を対象としています。
「住居確保給付金」に関する相談や問い合わせは、最寄りの自律相談支援機関が窓口となっています。
昨今の情勢により影響を受けた人への特例措置
昨今の情勢の影響により、失業したり仕事が減り収入が減少した方、収入減少が長期にわたり日常生活の維持が困難な方を対象に特例措置が取られています。
上記で説明した「緊急小口資金」及び「総合支援金」の貸付が終了した方や不承認とされた方を対象に、「新型コロナウィルス感染症 生活困窮者自立支援金」の受付を実施。受付期間は、令和4年9月末日まで(令和4年8月現在)。対象者は厚生労働省(公式)生活支援特設ホームページで確認できます。
ホームページによると、以下のいずれかの要件を満たすことと書かれています。
総合支援資金は、生活に困った人を救済するために作られたセーフティーネットです。公的融資制度は柔軟に対応してくれる傾向にあります。
大至急お金が必要!その場合はカードローンを活用する
「緊急小口資金」は約1週間で融資を受けることができますが、状況によっては、その1週間ですら待てない状況もあるかと思います。その場合には、民間の金融機関のカードローンを利用するのも選択肢の一つです。必ず返済できる見込みのある金額だけ借りてください。
無職の方は基本的にカードローン審査に通ることはできないので、カードローンは使えません。審査に通る条件として、「継続的に安定した収入がある」ということが前提となります。就業形態は正社員に限らず、アルバイトやパートで構いません。
どんなカードローンに申し込むべきか
カードローンは、銀行が運営するもの、CMでよく見かける大手の消費者金融が運営するもの、そして一般的にはあまり知られていませんが中小サイズの消費者金融が運営するものがあります。
もしかすると、既に大手消費者金融カードローンで借りた経験のある人や、申し込みをしたことがある人もいるかもしれません。その中には、申し込んだけれど審査に通らないという悩みを抱えた人がいるのではないでしょうか。審査に自信がない人が、大手消費者金融の審査に通るって案外難しいんです。
実際、大手消費者金融や銀行カードローンの審査は、年々厳しくなってきているようで、申込者の半数以上は審査が通らないと言われています。
CMで見かけるような業者であれば、安心して申し込みしたくなる気持ち、分かります。でも、借入に一歩でも近付きたいなら、申し込むべき業者は中小規模の消費者金融です。
中小消費者金融をおすすめする理由
中小消費者金融は「大手消費者金融審査落ち」の受け皿のような役割もあるため、審査も独自基準で柔軟に行っているのがポイント。そのため、大手消費者金融で審査に通らなかった方でも、中小消費者金融なら借入れできたというケースが多くあるのです。
最後に
人によって事情は色々あると思いますが、働ける環境になった時には、週に数日、短時間でもいいので働いてみましょう。働くことによって、もちろんお金を稼ぐことができるようになりますが、社会的な信用も得ることができます。
いつかカードローンやその他のローンを利用する際、クレジットカードを申し込む際など、必ず審査の際にはあなたの信用度をチェックされることになります。信用度がしっかりしていれば、審査に通りやすくなり、低金利など良い条件でローンを利用することができるようになるでしょう。
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